待ち時間を減らす準備を、運用開始から逆算する。

蓄電所開発では、設計・調達・施工・系統協議・市場準備が同時に進みます。複数工程を並行管理する理由と、遅延を防ぐ考え方を解説します。

この記事でわかること

  • 工程図の順番と、実際の仕事の進み方の違い
  • 並行できる準備と、順番を守る必要がある工程
  • JESDIが同じチームを使う理由
  • 機器の遅れに対して工程を組み替える方法
  • 複数案件の経験や手配を生かすJESDIの進め方

並行工程を理解する

工程図は一直線でも、現場は一直線には進まない

土地を確保し、電力会社と協議し、設備を設計し、機器を注文し、工事をして、市場で運用を始める。

全体像を理解するには、この順番が分かりやすいでしょう。ただし、実際の開発で、前の仕事がすべて終わるまで次の準備を待っているわけではありません。

例えば、土地を調べる段階から、機器の配置や搬入経路を考えます。現場で基礎をつくっている間にも、蓄電池の製作や出荷の状況を追い、電力会社との工事調整を進めます。受電後に使う通信や試験方法も、受電を待たずに準備します。

こうした仕事を重ねることで、準備待ちの時間を減らし、問題も早い段階で発見できます。

準備は前倒しし、機器搬入は受電から逆算する

調査や設計、関係者との調整は早く始めます。一方、機器を現場へ運ぶ日は、受電予定と現場の準備から逆算して決めます。

搬入が早すぎると、設備代を支払ってから事業収入を得るまでのつなぎ資金が長く必要になります。蓄電池は保管中にも自然放電するため、残量を示すSOCを適切に維持する充電作業や、その費用も考える必要があります。

早く決める仕事と、適切な日に実行する仕事を分ける。JESDIは、設備の状態、資金、工事、受電を同じ工程表で管理します。

設備・通信・市場参入の準備を、受電前から並行して進める。(概念イラスト)
設備・通信・市場参入の準備を、受電前から並行して進める。(概念イラスト)

土地を見るときから、建て方を考える

JESDIでは、土地のデューデリジェンス、つまり権利や法令、現地条件などを調べる段階から、設備配置、搬入経路、造成や施工の条件も検討します。

土地の確認を終えてから初めて工事の話をすると、その時点で搬入や配置の問題が見つかり、前の判断へ戻ることになります。土地と工事を一緒に見ることで、問題を早く表に出せます。

初期の概略検討を進めながら、本申込みや系統容量確保の状況を確認し、詳細な設計・調達・施工計画へ落とし込みます。早く考え始めることと、発注や工事に進む判断は分けて管理します。

JESDIの視点

同じチームだから、相談と判断が早くなる

HOBE ENERGY、RUTILEA、施工会社、JESDIが継続して同じチームで取り組むことで、相手の設備や仕事の進め方への理解が深まります。小さな疑問を早く相談でき、確認すべき相手にもすぐつながります。

同じ設備構成を扱う経験が積み重なると、機器の特徴、電力会社が確認するポイント、試験で必要な準備を先回りして共有できます。上奈良や七本木などで得た知見は、担当者の習熟度を高め、判断の待ち時間や伝達の行き違いを減らしています。

設備の共通化に加えて、その設備を理解したチームが継続して関わることが、並行工程を動かす力になります。

工事が進んでいる間に、市場へ入る準備を進める

据付や配線を進める間に、通信回線の手配、設備を制御するEMSとRUTILEAの接続設定、試験の手順を準備します。設備の完成を待ってから運用側へ連絡するのでは、受電後に準備の時間が残ってしまいます。

JESDIは工事中からRUTILEAと市場参入の準備を進め、HOBE ENERGYの機器・制御とすり合わせます。現地でしかできない確認に集中できる状態を、受電前につくります。

この積み重ねが、業界随一で圧倒的に早い立ち上げを支えています。上奈良では受電から需給調整市場での運用開始まで81日、その中の現場工程はコミッショニング4日、市場参入試験1日でした。

JESDIの実践

一つの納期が動いたら、全体の組み方を見直す

機器の輸送や通関、電力会社の工事など、計画どおりに進まないこともあります。そこで必要なのは、遅れた項目を見守るだけでなく、その案件の工程を組み直すことです。

例えば、搬入日の変更に合わせて現場の作業順序、車両の到着時間、クレーンの配置、据付の段取りを再調整します。先に進められる配線や通信の準備も洗い出します。

JESDIは、変更が受電と運用開始へどう影響するかを関係者と確認し、判断する人、必要な情報、回答期限を明確にします。

JESDIの視点

週次会議で重視するのは、進捗よりも「困りごと」の早期発見

JESDIでは、メーカー、施工会社、アグリゲーターなどが参加する週次の定例で、工程と課題を共有します。

確認するのは、「予定どおりです」という報告だけではありません。まだ決まっていないこと、他社の情報を待っていること、次の工程に影響しそうなことを出してもらいます。

機器の到着が遅れそうだと分かった時点で共有されれば、搬入や工事の組み替えを検討できます。当日になってから分かるのでは、取れる手段が大きく減ります。そのため、定例を待たずに連絡できる体制も整えています。

特に重点管理するのは、全体の日程を左右する工程です。系統工事、長納期機器、搬入、通信開通、試験・審査などを見ながら、誰がいつまでに何を決めるかを明確にします。

一つの案件の経験を、次の案件の準備へ

並行して開発する価値は、機器や人の手配だけにとどまりません。

ある案件で分かった設定上の注意点、通信の確認事項、電力会社との手続きに必要な準備を、ほかの案件へ共有できます。同じ課題を、別の現場で初めて発見することを減らせます。

上奈良蓄電所と七本木蓄電所は、並行して開発を進め、2026年6月16日に同日運用開始しました。この実績は、[JESDIの七本木蓄電所の発表](https://japan-energystorage.co.jp/news/2026-06-16-02/)でも紹介しています。

同じモデルを使いながら、土地や系統条件の違いに対応する。各案件で得た知見を、次の工程と次の案件へ返していくことが、再現性のある開発につながります。

JESDIが大切にすること

JESDI WAY

一つの工程が終わるのを待ってから、次の準備を始めない。運用開始から逆算し、今できる仕事を見極め、問題が見えたらチーム全体で組み替える。JESDIの並行化は、工程表の工夫だけではなく、継続して関わるチームと、現場の情報がすぐに届く関係によって支えられています。

結論

蓄電所の開発では、順番を守るべき工程と、並行して進められる準備が混在しています。それを見分け、受電と市場運用開始へつなぐことが工程管理です。

JESDIは、土地・系統・設備・施工・市場準備を一つの計画として動かし、変更があれば関係者と組み直します。一つの現場で得た経験をほかの案件にも生かし、待ち時間と手戻りを減らしていく。それが、JESDIの開発の進め方です。

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